終わりの始まりの終わり

からからと音を立てていく葉を

四季の隅に捉える頃には

追いかけていた足も縺れてしまって

終わりが迎えに来る。

 

きらきらと光る砂が

風に乗って遠くへ流れていく頃には

少し火照った体温も下がって

終わりに挨拶をする。

 

けらけらと笑う君に

言いたかった事を言えなかった頃は

心の中のグミみたいな部分が締め付けられて

終わりの始まりに震える。

 

くるくると廻る気持ちが

言えなかった言葉と出会った時、

本当に少しだけ荷が下りたような気がして

終わりにありがとうを伝える。

 

高く飛ぶことは容易いことだったはずなのに

今月のテーマ:私の形

 

考えれば考えるほど泥沼の中に埋まっていくので

今思うことを書き出すのが「私の形」なのかなと思った次第です。

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見慣れた猫背がビルの入り口に見えた。

隠すつもりなんて微塵もない憂鬱がむわっとまとわりつく。

 

目を閉じて。ふーっため息をつく。

 

気が遠くなる高さに、私の中の小さな何かが

そこに行ってはいけないよ、とそっぽを向いた。

 

あのビルよりも高く飛びたいと思っていた時があったはずなのに

それがどのくらい前のことかなんて、まったく思い出せそうにない。

 

ボーナスで買った高いヒールは綺麗なままどこかに捨ててしまった。

調子にのって新調したスーツはカビてしまった。

鞄の持ち手が細すぎて、私の右肩に食い込んで離れなくなった。

 

気が遠くなる高さに、私の中の小さな何かが

先にいくからね、と走り出してしまった気がした。